【市原市】昭和20年創業の海苔問屋「高沢海苔店」の店先で市原市の海苔の歴史をお勉強させていただきました。
昭和20年といえば1945年、第二次世界大戦が終結した年です。その激動の年に海苔の仲買いをする海苔問屋を五井で創業した高沢海苔店さんにお邪魔してきました。2代目ご店主さんの看板おばあちゃんは、昭和11年生まれ。「戦時中で、敵機来襲の警報に防災頭巾をかぶって学校に通ったのよ。」と話す姿はとってもお若く、歌や踊りも現役だそう。スマホを自由に操りお孫さんと、曾孫さんの写真のやり取りをするスーパーおばあちゃんです。
2年前の「市原市農林業まつり」で出店されて販売を行っていたおばあちゃん。屈託のない笑顔と人柄に惹かれ、それ以来お店の方に海苔を買い求めに行くようになりました。もちろん、海苔はとても美味しく、リピーターになりました。伺った日も大多喜からお客様が来店され「五井駅で一度購入してからは何十年もずっとこちらで購入しています」と教えてくださいました。以前は五井駅構内で販売も行っていたそうです。
「市原はね、今でこそ工業地帯でたくさんの工場が建っているけど、海苔の産地だったのよ!養老川が山からの養分を運んでくれて海苔の栽培に適していたの。」そう話し始めたおばあちゃん。海苔は11月から3月が海苔の最盛期。冬の間仕事のない雪国の信州から大勢が出稼ぎにきていたそうです。海苔を乾かしている海辺へお金と通帳を持って買い付けに行き、種分け伝票とともに東京方面の問屋へ卸すトラックに積むまでが仕事だそうです。(現在は富津まで3代目さんが出かけて入札している。)
「乾のり」と書かれた乾海苔は、海から採った海苔を板状に加工したもの。家ではコンロなどで炙ると香ばしい海苔の香りとともに色が緑色に変化していきますね。筆者がいつも購入しているのは「焼海苔」高沢海苔店さんでは、「自家製焼海苔」を販売しているんです。
海苔を焼く工場も見せていただきました。
昭和の時代には家の押し入れによくあった茶箱がたくさん並ぶ工場、想像していたよりも海苔焼機はピカピカでした。3代目ご店主さんが海苔の香りの中、作業に追われていました。
「ご近所の大宮神社に海苔を献上すると、とっても良いことがあるの」とおっしゃるように神棚には大宮神社のお札が祀られていました。
店内には海苔の他にも、お茶、千葉県で採れる物産など、身体に良いものが大集合。
長年、買い手のことを思って商売を続けてきたおばちゃんの宝箱のようです。「毎朝海苔にチーズをはさんで食べてるのが私の健康の秘訣だと思うよ~。あなたも食べてみて!」海苔をいただきました。早速家に帰り食べてみましたよ~!
「海苔の育つ適温は13度以下、地球温暖化による暖冬で最近は海苔の収穫が遅くなっているけれども、『千葉のお土産』として海苔の歴史を守って行きたい」と語る姿に昭和の女性の強い意志が見受けられました。取材をして元気を頂けることは本当に励みになります。ありがとうございました。
高沢海苔店はこちら↓
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